はじめに
今回はピンポイントで「応力とひずみ」について説明したいと思います。
消防設備士試験において、筆記試験の基礎的知識、「機械に関する基礎知識」で出題されるのですが、意味が分かりにくいところだったので、まとめていきたいと思います。
応力とひずみ
金属の塊を引っ張ったり、つぶしたりするとどうなるでしょうか?
何も起きない?
確かに人間の力では金属は変形しませんが、ものすごい力で引っ張ったり、つぶしたりするとさすがに金属とはいえ、変形します。その時の変形の度合いがひずみ、金属が外からの力に対して押し返す力を応力といいます。
では実際の様子を見てみましょう。下のグラフは、どんどん引っ張ったときに、どのようになるのかを表しています。横軸は「ひずみ」でどのくらい伸びるのかを示しています。縦軸は「応力」で引っ張りに対して金属がどの程度抵抗するのかです。
A~Fの点に名前がついており、それぞれ以下のようになっています。
- A-比例限界
- B-弾性限界
- C-上降伏点
- D-下降伏点
- E-極限強さ
- F-破断点
馴染みのないグラフと名前の組み合わせは覚えるのが大変ですよね…
そこで、ここでは2種類の覚え方を紹介します。
1つ目は引っ張られた金属の気持ちになって、それぞれの点の状況を説明する方法で、それぞれの点の詳しい説明に書いてありますの見てください。
2つ目は語呂合わせです。これは後ほど。
A:比例限界
何も力をかけていない状態、Oからスタートして、徐々に力をかけていくと、金属はその力比例して伸びていき、戻ろうとする力、「応力」もひずみに比例して発生します。ちょうど、バネを伸ばした時のような状態です。ここで力を抜くと元に戻ります。バネが元に戻るのと同じですね。
とは言っても、さすがにいつまでも同じ調子で伸びるわけではありません。A点を超えると伸びきったバネのようになり、戻ろうとする力、「応力」の増加は鈍くなります

比例限界までは、金属もバネになった気持ちで、引っ張る力に比例してひずみます
でも比例限界を超えるとひずみと力は比例しなくなります。
バネのまねをするのは限界
B:弾性限度
A点からB点までは、「応力」はの増加は緩やかになりますが、それでも、引っ張る力をなくすと元に戻ります。
しかし、B点を超えると変形してしまって、形が元に戻らなくなります。それでも引っ張る力に対抗するための「応力」は大きくなっていきます

弾性限界までは元に戻ろうとする性質、弾性があるので元の姿に戻れます~
でもこれを超えると弾性も限界、もう昔には戻れない…
C:上降伏点
引っ張り続けられて耐えてきましたが、とうとう限界です。C点を超えると「応力」は不安定になっていきます。ずるずると伸びていきますが、元に戻ろうとする力はむしろ弱くなっていきます。

引っ張られて伸びることにそろそろ限界、バネのように柔軟に力を受け流してきたけどもう無理~降伏です
D:下降伏点
そしてとうとう、引っ張りに対して金属がひずんで変形して、耐える限界を迎えます。

降伏しているのにまだ引っ張るの~
きついな~降伏作戦もここまで!ここからは最後の抵抗だ!
E:限界強さ、引張り強さ
何とか引張に耐えていますがその際の「応力」が限界強さ、または限界強さです。

金属の名に懸けて最後の最後まで抵抗します
そして、最後の力を振り絞って出した力が限界強さ!
F:破断点
引っ張る力に耐えてきましたが、F点で金属は切断されてしまいます。

さすがに無理です…
こんなイメージで覚えられそうですか?
語呂合わせも
グラフの形を戦闘機が飛び立つところと思ってください。無理がある!?とりあえず戦闘機を思い浮かべましょう。
まっすぐ飛び立つも、敵に狙い撃ちされて、A、Bで被弾!Cまで上がるも操縦できずふらふらとDまで下がって、何とか持ちこたえようとEまで上っていくがそこで限界。そのまま下降して、Fで通信が切れた…
という悲しい物語に見えてきませんか???
とりあえず、このようなものを思い浮かべてください。

そこで語呂合わせ
被弾、上下、限界、通信破断
ひ(比例限界)だん(弾性限界)上(上降伏点)下(下降伏点)限界(限界強さ)通信破断(破断点)
まとめ
「応力とひずみ」は覚えられそうでしょうか?グラフとセットでそれぞれの点の名前を聞かれたり、その点の意味を聞かれたりするようです。ぜひ覚えて得点をゲットしてください。
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